(続き)
案の定、広大な海に向って何度送り込んでも、引いてくるフライに反応がない。フライが通過する水深には魚が居ないのだろう。魚に見られていないのなら遠投しても何の意味もない。それでは、魚が居そうなところへ……。
リーフエッジは一直線ではなく、陸に向ってあちこち切れ込みが入っている。(どうしてこんな風にリーフが成長するのか分らないが。)切れ込みの向う側の、垂直に切り立っている様に見えるエッジに投げれば、壁に付いている魚が反応してくれるんじゃないか。あまり大きな奴が居そうな気がしないが、まあ、しょうがない。
何投かして。ん? 来た!! リールを巻いて寄せてくると、足元のエッジは垂直と言うよりオーバーハングしているらしく、奥へ潜られてしまう。根掛りを外す様に少し左右に動かすとリカバリ出来て、また動きだす。何とかキャッチしたその魚は・・・
昨日の魚と同じ? しかし、一段とグ… 派手になっている様な……。成長するとこういう柄や色になるのか?
魚が釣れるパターンが見付かったので、同じことをやってみると、かなりの率で当りがある。でもあまりフッキングしない。その後釣り上げた魚は、結局すべて同じこの魚だった。帰ってから調べたところ、前日の「ミツバモチノウオ」とは違う、「アカテンモチノウオ」という魚だった。
そんな風に、あまり凄い魚は釣ることは出来なかったのだけど、それでも遊んでくれる奴が居て良かった。今度はデカいのとイシミーバイを釣るどー。
(終り)
竹富島 LUMIX DMC-GF1 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.
今年のウクレレ教室の夏の演奏会は人が増え過ぎて入りきらなくなったため、会場が変わった。キャパが大きくなったことで一段と来る人が増えて、結局百人くらいになった。演奏者も増えているが、会場を押えてある時間は(たぶん)長くなっていないので、「巻きで次々弾く様に」という指令が出ていた。
今回は演奏する曲(“How Insensitive”)の仕上げに苦労して直前までかかり、弾き込みが不十分で、人前で演奏する機会も持てなかった。加えて、当日午前中に用事が入っていて、復習う時間が取れないまま会場入りすることになってしまった。それでもちゃんと弾けるつもりだったが、プレッシャーに負けて途中で止まってしまう。クラッシュ率50%の法則はいまだ健在だ。(早く葬りたいが。)
こんなとき、いつもなら悶々としたまま次のチャンスまで半年間待たなくてはならないのが、今年は昼間や日曜日に演奏会に来られない人のために、次の金曜の夜に第二の演奏会が予定されていた。交友があっても演奏を聴いたことがない人や、まだ会ったことのない人の演奏を聽きに行くだけのつもりだったこの会を、再挑戦の場に利用させてもらう。
追加の練習日はほんの数日しかない上に親戚関係の急用が入って、弾き込み不足を解消することは出来なかったが、楽譜上の何処を弾いているかを把握することに重点を置いて練習する。こんな短期間では実力は上げられないので、あとは自分の舵を失わない様にすることぐらいしかない。
当日、会社から会場に行く前に何度か復習う。今度の会場は慣れたところだし、一般客はほとんど居なくて顔見知りの奏者ばかり。前回より相当条件が楽になり、二回目ということもあって、今度は止まることなく弾くことが出来た。演奏自体の出来は良いとは言えなかったけど。観客百人のときと条件に差があり過ぎて、これでリカバリしたと言えるかは、ちょっとあれだけども、まぁ再挑戦の機会が有ってよかった。
それにしても、自分よりレッスン期間が短い人達も百人の前でちゃんと弾いているんだから大したもんだと思う。度胸の差だね。
石垣島 LUMIX DMC-GF1 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.
(続き)
翌日。ホテルで朝食を取り、リーフエッジでの釣りを目指して出発する。干潮の時間は11時半ぐらいなので、島の西側を彼方此方寄りながら昨日と同じ海岸に。昨日よりも潮が引き、浅過ぎてもうイノーの中では釣りは出来ない程だ。
今日こそは大物をと思いながら歩いていく。そして念願のリーフエッジへ到着。波頭が砕ける様子が見えていた宮古島とは違い、海面はとても穏かだ。
風が強くて自分のスキルではとてもフライ・キャスティングにならないが、幸いにも追い風なのでラインを空中に出せていれば風が前に運んでくれる。それは良いとして…… 水深がさっぱり分らない。今回持って来たのはインターミディエイト・ラインで、このラインと然程重くないフライでは上っ面を泳がせるのが精一杯である。「リーフエッジから投げれば大きい魚がドカーンと!」ぐらいしか考えていなかったが、実際に来てみると、魚がフライを見てくれるのか不安になってきた。
(続く)
石垣島 LUMIX DMC-GF1 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.
(続き)
まだ二回しか釣っていないが、どうもエソは浅い砂地の場所に居る様だ。この魚が釣れるということは、岩礁地帯に居る(であろう)イシミーバイは釣れない気がする。少しでも深くて、イシミーバイが居そうなところを探ると手応えが。今度は結構引く。おぉ!居たのだね、と寄せてくると、あれっ? 知らない魚だ。あなたは誰ですか。
そうこうしている内に待ち合わせした人がやってきて、この日の釣りはここまでとなった。先のエソとともに釣った魚を見せたが、「ベラの仲間だね。んー… 逃してあげましょうねー」と言われてしまった。美味しい魚ではないらしい。
旅から帰ってから調べて分ったのだけど、この魚の名は「ミツバモチノウオ」だそうだ。それほど大きくなる魚ではないが、同じモチノウオの仲間には「ナポレオン・フィッシュ」の呼び名で知られる、2mを超すメガネモチノウオがいる。モチノウオはベラ科。ベラというと「外道」(狙っていないのに釣れた魚)の代表という印象であるが、こいつは自分のベラのイメージとはかなり違っている。
(続く)
石垣島 LUMIX DMC-GF1 / LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.
(続き)
石垣島二日目。この日、島在住の人と会うことになっていて、西回りで島の北側の海岸に出掛けた。そこはイノー(ラグーン、礁池)が浅くてリーフ・エッジまでが近く、自分の釣りに向いていると目を付けていた場所でもある。釣りをするのは翌日にして先ずは下見だけするつもりだったが、待合せの時間より早く着いたので、じゃあ少しやってみるかと竿を繋いで海に入る。
「夢のポイント」に実際に来てみるとイノーは思ったより起伏がなくて、イシミーバイが沢山潜んでいる様には見えない。ちょっとガッカリ。
珊瑚の周りにフライを泳がせることを暫く続けていると、不意に魚影が現われてフライに向けて走った。合せると手応えが。良し! ……ん? あまり引かないな。これはイシミーバイじゃない。寄せてくると……。あなた、前にもお会いしましたよね。
前よりは大きくなったけど、沖縄のエソはやっぱり目が赤かった。
(続く)
(続き)
ホテルのすぐ傍に釣具屋があることは調べてあった。現地に着いて、早速寄ってみる。石垣港が目の前なので夜釣りでイカでもと思って、スピニングのパック・ロッドも持って来ていた。店の人に夜は港のどのあたりで釣りをしてるかと訊ねてみたら、夜は釣りはしていないと言われてしまった。えっ、そうなの?
石垣港は結構大きい。ホテルの近くは船がたくさん係留された潮通しが悪そうな場所で、ここに大物がいるという様な感じではなかった。かなり移動しないと良さそうな所に行けないみたいだ。旅行に出掛ける前に「もしホテルの前がすごく良いポイントだったらチャンスを逃してしまう」と想像を逞しくして持ち込んだ餌木(エギ)は、結局使うことはなかった。(実際のところは、夜は呑んでしまうのでそれから釣りに行くことはよっぽどないわけだが。)
竹富島に行くときに船から見た限りでは、石垣港の埠頭で釣りをしている人はほとんど居なかった。件の釣具屋にも餌木は沢山売っていたから地元の人もエギングをしているんだろうけど、日中に船上か沖堤でやっているのだろうか。
(続く)