鮎釣りを夢見るフライフィッシャー
明けましておめでとうございます。
今年は引っ越しを予定していて鮎が釣れる川に近づくので、何とかフライで鮎を釣ることは出来ないものかと調べている。
昨今、高齢化による友釣り人口の減少が著しく、釣具メーカーも漁協も、ルアーを使った友釣り『アユイング』推進に動いていることは知っていた。(生きた鮎『種鮎』を使う本来の)友釣りなどに限定されている場所の条件緩和でフライでも釣れるようになれば面白いなと各所の漁協の遊漁規則を調べていたら、岐阜県が作成した興味深い資料にたどり着いた。
この資料に、行政(岐阜県)が現状をどの様に分析し、対策として何をしようとしているが書かれている。岐阜県の(特に長良川の)鮎の資源量を維持する強い意思が読み取れる。
現状の分析を(短くするために一部編集して)抜き出すと、
- 平成4年から令和3年で、鮎の遊漁者、全体の遊漁者ともに1/3になった
- 高齢化が顕著な鮎の遊漁者は、若年層の新規加入が無い場合は10年後の令和13年にはさらに1/3近くに減少する
- 令和13年までに県内の半数以上の漁協で鮎漁場の維持が困難となる
- 友釣り漁場の維持が困難となった漁協は、解散又は活動休止
- 漁協が解散等した河川は、河川環境の悪化や水産資源枯渇等が危惧される
- 自由漁場として県が漁場の管理を行うこととなり、漁場のパトロールなど行政コストは、最低でも年間2.5億円が必要
- 多大な行政コストの新たな負担は困難で、漁協の解散等で漁場は消滅
- 漁協活動が休止等すれば、水質をはじめ「清流」環境保全のための行政コストが増大
となっている。
その対策の一つとしてアユイングを取り入れることを提案、奨励しているのだが、岐阜県はアユイングを友釣りの疑似体験と捕らえており、アユイングによる釣果は友釣りの30%であるとするデーターから、釣果を求める釣り人は友釣りに移行すると考えている。(しかし個人的には、そうはならないと思う。)
渓流魚の漁場(釣り場)の維持のためにも、各漁協には存続してもらわなくてはならない。だからアユイング導入が漁協存続に資するならば良いことだが、岐阜県のアユイングの捕らえ方から考えると、人間から見てあまり似ていない毛鉤で作ったオトリで釣らせたり、毛鉤をそのまま鮎に咥えさせる様な釣りに門戸を開くことは眼中に無さそうで、フライを「ルアー」の範疇に入れてくれることは難しそう。