FLY-FISHING

新規開拓

まだ九州などが大雨の被害に遭う前だったけど、雨が降った日の翌日に今まで行ったことのない川を開拓しようと出掛けた。今まで通った渓流釣り場は家から二時間以上かかるので、気軽にちょっと行ってみようという感じではなくて気合を入れて出発するのだが、もうちょっと近い釣り場があれば昼から出掛けるなんてことも出来る。Google Map によると1時間半で行けて、渓流魚が居るという情報がある溪で釣りをしてみた。 見た目は結構良い感じでも、標高が低いので案の定苦戦。アブラハヤやカワムツに遊ばれながらも、なんとかリリースサイズを超えるアマゴを釣ることが出来た。(リリースしたけどね。)やはり前日の雨が良かったのか。 ところで、こういう川の写真を観ると(実際はそう簡単にはいかないけども)「ああ、釣れそう…」と涎が出そうになるのだが、考えてみれば渓流釣りをしない人はそういう反応をすることはないはずだ。もう、渓流を純粋に眺める感覚が思い出せない。

ハンドル・ノブの製作

先日の釣りの終盤、フライリールのハンドルに手をかけたところ、手触りでノブが無くなっていることに気付いた。どうやら岩の斜面を滑り落ちたときにリールをぶつけて、割れて外れたらしい。このリールを買って間もなくの頃に割れたのを接着剤でくっ付けてあったのだが、そこからまた割れたのかも。安いから買った Redington CT 5/6 の木製ハンドル・ノブは、あまり良い材質ではなかった。同シリーズのリールを代理店に送って直してもらった例もある様だが、これを買った店が守山に移転して遠くなったこともあり、修理に出すのが面倒なので自分でハンドル・ノブを作ることにした。 ホームセンターでハンドル・ノブになる様な適当なものを探したが見付からないので、100円の花梨の端材を買ってきて自分で削り出すことに。まずハンドル軸が通る穴を空けて、作業がやり易い様に長めに切り出す。 小刀、カッターナイフ、やすり、紙やすりなどを総動員し、削って円筒形にする。 必要な長さに切り、軸の頭が入る部分の径を広げて、ウレタンで塗装。取り付けて・・・ 完成!(実際には軸の頭が入る部分を深く削り過ぎてしまって「遊び」が多くなり過ぎ、内側をエポキシで肉を盛ってから削り直すはめになった。) 自分ではなかなかの出来だと思っている。 結構長く使用しているのでもう買い替えた方がフライ業界のためではあるが、何の変哲も無いところが気に入っているし、一つ部品が無くなっただけで使えなくなる(という訳でもないが)のは癪に障る。自作ハンドル・ノブが付いて更に愛が深まった。でも、カワガラス師匠こと千葉さんにロッド作りを教わっていなかったら、旋盤も無しに作れるという発想はしなかっただろうな。

ジ・オールモスト・フライフィッシャー

今期の初釣行だった先日。久しぶりでなかなか勘が戻らなかったけども、小さなイワナを二匹釣った後で良型が出た。おお、これは尺超えだろう。この日はメジャーを持ってきていなかったので、サイズの確認のためにロッドと並べて写真を撮った。 さて、帰宅してからサイズを割り出す。えーっと…… 29cm……。また「泣き尺」かい。どうして何時もちょっとだけ足りないのであろうか。女子フィギュアスケーターのアシュリー・ワグナーが、なかなか全米選手権で優勝出来ずに二位が続き、『あとちょっとで…の女の子(the “almost” girl)』と言われていたそうだが、泣き尺専門の釣り人も嫌だ……。

今期初釣行

誰もが忘れていると思うけど、当ブログのメイン・コンテンツはフライ・フィッシングです。

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(6) 歓待

(続き) 案の定、広大な海に向って何度送り込んでも、引いてくるフライに反応がない。フライが通過する水深には魚が居ないのだろう。魚に見られていないのなら遠投しても何の意味もない。それでは、魚が居そうなところへ……。 リーフエッジは一直線ではなく、陸に向ってあちこち切れ込みが入っている。(どうしてこんな風にリーフが成長するのか分らないが。)切れ込みの向う側の、垂直に切り立っている様に見えるエッジに投げれば、壁に付いている魚が反応してくれるんじゃないか。あまり大きな奴が居そうな気がしないが、まあ、しょうがない。 何投かして。ん? 来た!! リールを巻いて寄せてくると、足元のエッジは垂直と言うよりオーバーハングしているらしく、奥へ潜られてしまう。根掛りを外す様に少し左右に動かすとリカバリ出来て、また動きだす。何とかキャッチしたその魚は・・・ 昨日の魚と同じ? しかし、一段とグ… 派手になっている様な……。成長するとこういう柄や色になるのか? 魚が釣れるパターンが見付かったので、同じことをやってみると、かなりの率で当りがある。でもあまりフッキングしない。その後釣り上げた魚は、結局すべて同じこの魚だった。帰ってから調べたところ、前日の「ミツバモチノウオ」とは違う、「アカテンモチノウオ」という魚だった。 そんな風に、あまり凄い魚は釣ることは出来なかったのだけど、それでも遊んでくれる奴が居て良かった。今度はデカいのとイシミーバイを釣るどー。 (終り)

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(5) 到達

(続き) 翌日。ホテルで朝食を取り、リーフエッジでの釣りを目指して出発する。干潮の時間は11時半ぐらいなので、島の西側を彼方此方寄りながら昨日と同じ海岸に。昨日よりも潮が引き、浅過ぎてもうイノーの中では釣りは出来ない程だ。 今日こそは大物をと思いながら歩いていく。そして念願のリーフエッジへ到着。波頭が砕ける様子が見えていた宮古島とは違い、海面はとても穏かだ。 風が強くて自分のスキルではとてもフライ・キャスティングにならないが、幸いにも追い風なのでラインを空中に出せていれば風が前に運んでくれる。それは良いとして…… 水深がさっぱり分らない。今回持って来たのはインターミディエイト・ラインで、このラインと然程重くないフライでは上っ面を泳がせるのが精一杯である。「リーフエッジから投げれば大きい魚がドカーンと!」ぐらいしか考えていなかったが、実際に来てみると、魚がフライを見てくれるのか不安になってきた。 (続く)

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(4) 新顔

(続き) まだ二回しか釣っていないが、どうもエソは浅い砂地の場所に居る様だ。この魚が釣れるということは、岩礁地帯に居る(であろう)イシミーバイは釣れない気がする。少しでも深くて、イシミーバイが居そうなところを探ると手応えが。今度は結構引く。おぉ!居たのだね、と寄せてくると、あれっ? 知らない魚だ。あなたは誰ですか。 そうこうしている内に待ち合わせした人がやってきて、この日の釣りはここまでとなった。先のエソとともに釣った魚を見せたが、「ベラの仲間だね。んー… 逃してあげましょうねー」と言われてしまった。美味しい魚ではないらしい。 旅から帰ってから調べて分ったのだけど、この魚の名は「ミツバモチノウオ」だそうだ。それほど大きくなる魚ではないが、同じモチノウオの仲間には「ナポレオン・フィッシュ」の呼び名で知られる、2mを超すメガネモチノウオがいる。モチノウオはベラ科。ベラというと「外道」(狙っていないのに釣れた魚)の代表という印象であるが、こいつは自分のベラのイメージとはかなり違っている。 (続く)

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(3) 再会

(続き) 石垣島二日目。この日、島在住の人と会うことになっていて、西回りで島の北側の海岸に出掛けた。そこはイノー(ラグーン、礁池)が浅くてリーフ・エッジまでが近く、自分の釣りに向いていると目を付けていた場所でもある。釣りをするのは翌日にして先ずは下見だけするつもりだったが、待合せの時間より早く着いたので、じゃあ少しやってみるかと竿を繋いで海に入る。 「夢のポイント」に実際に来てみるとイノーは思ったより起伏がなくて、イシミーバイが沢山潜んでいる様には見えない。ちょっとガッカリ。 珊瑚の周りにフライを泳がせることを暫く続けていると、不意に魚影が現われてフライに向けて走った。合せると手応えが。良し! ……ん? あまり引かないな。これはイシミーバイじゃない。寄せてくると……。あなた、前にもお会いしましたよね。 前よりは大きくなったけど、沖縄のエソはやっぱり目が赤かった。 (続く)

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(2) 妄想と現実

(続き) ホテルのすぐ傍に釣具屋があることは調べてあった。現地に着いて、早速寄ってみる。石垣港が目の前なので夜釣りでイカでもと思って、スピニングのパック・ロッドも持って来ていた。店の人に夜は港のどのあたりで釣りをしてるかと訊ねてみたら、夜は釣りはしていないと言われてしまった。えっ、そうなの? 石垣港は結構大きい。ホテルの近くは船がたくさん係留された潮通しが悪そうな場所で、ここに大物がいるという様な感じではなかった。かなり移動しないと良さそうな所に行けないみたいだ。旅行に出掛ける前に「もしホテルの前がすごく良いポイントだったらチャンスを逃してしまう」と想像を逞しくして持ち込んだ餌木(エギ)は、結局使うことはなかった。(実際のところは、夜は呑んでしまうのでそれから釣りに行くことはよっぽどないわけだが。) 竹富島に行くときに船から見た限りでは、石垣港の埠頭で釣りをしている人はほとんど居なかった。件の釣具屋にも餌木は沢山売っていたから地元の人もエギングをしているんだろうけど、日中に船上か沖堤でやっているのだろうか。 (続く)

石垣島ソルト F. F. 外道戦記(1) 再挑戦

以前、宮古島のリーフでイシミーバイ(カンモンハタ)を釣った際にはリーフエッジまで辿り着けず、あの先にフライを投げれば超大物、例えば GT が掛ったんじゃないかという想いが心の中に止まり続けていた。いつか沖縄で試してみたい、というか直ぐにまた行こうと考えていた。 去年、石垣に行こうという話があり、釣りの準備も少し始めていたのだが、いろいろあってその話は流れてしまった。計画が復活して宿のキャンセル待ちをしているところで、あの東日本大震災が起きた。辛い思いをされている人が沢山いて、心痛めた日本社会は自粛ムードに包まれたが、自分は旅行をすることにした。 最初に宿をとるのに苦労したのは、計画した日がちょうどトライアスロンの国際大会の日程と重なっており、ホテルなどが押えられていたかららしい。大会は実施されたので国際大会や一般の部に出場するアスリートは島に来ていたが、日本人は「自粛」で、外国人は福島原発の事故による放射能を恐れて旅行を取り止めている様子で、観光客は疎らだった。現地の方に聞いたところでは、五月以降の宿の予約がほとんど入ってないらしい。 さて、イシミーバイやガーラを目指した釣行がどんな結果であったかは題名を見れば想像が付いてしまう訳だが、それはそれで楽しいものではあった。沖縄の海でフライフィッシングをするということ自体が冒険であり、何かが釣れてくれれば「新しい体験」をすることになる。今度行ったときには、また違う魚を釣ってみたい。(本命も釣りたい。) (続く)