(続き)
立ち読みした『Fly Fishers』誌にも書いてあったけど、こちらから見ると東北地方というのはある意味、北海道よりも遠い。それは、東北がどんな所なのかをイメージする具体的な情報が少ないからなんだろう。それで、地元の人には怒られてしまうだろうが、私の中の岩手のイメージは、柳田国男の『遠野物語』(と渓流釣り天国)だったのである。これで二回岩手に行った訳だが、ひたすら釣りしかしていないので、結局そのままだ。
お世話になっていた千葉さんの工房の場所は遠野ではないが、遠野物語にはそのあたりの伝説も収録されている。
閉伊川の流には淵多く恐ろしき伝説少なからず。小国川との落合に近き所に、川井と云う村あり。其村の長者の奉公人、ある淵の上なる山にて木を伐るとて、斧を水中に取落としたり。主人の物なれば淵に入りて之を探りしに、水の底に入るまゝに物音消ゆ。之を求めて行くに岩の陰に家あり。奥の方に美しき娘機を織りて居たり。そのハタシに彼の斧は立てかけてありたり。之を返したまはらんと言う時、振り返りたる女の顔を見れば、二三年前に身まかりたる我が主人の娘なり。…
(「遠野物語」五十四 )
この続きと解説を、こちらで読むことが出来る。
・機織淵−『 遠野物語 』 第五四話をめぐって−
あの有名な「金の斧、銀の斧」の、岩手バリアントというわけだ。この話はよくパロディーにされて、長年のMac派としてはこれなんかは「彷徨いたくないなぁ…」と笑ってしまうけど(この話の続編)、 閉伊川の話は良く分からないところが不気味さを残す。
関係ないけど、次の五十五話の猿ヶ石川の河童の話は、岡野玲子の漫画「陰陽師」の、黒川主の話の元ネタじゃないだろうか。黒川主の話は原作の夢枕獏の小説にもあるらしいので、今度立ち読みしてみるかな。
(続く)
AIR-EDGE PHONE AH-J3003S が Tiger 10.4.2 でうまく動かない問題は、ユーザによってアップルのディスカッションボードに解決方法が掲載された。これを参考に、Pacifist を使ってインストール・ディスクから AppleUSBCDCACMData.kext V3.1.4 を取り出し、Tiger 10.4.2の3.1.5 と入れ替える。
アップルも日本無線も、解決策どころか、今のところ何のアナウンスもなし。予想通りの対応…。
(続き)
今回の岩手釣行では一応、四日間とも竿を出すことが出来た。それも私などの為に骨を折ってくださった千葉さんの御蔭である。初日は花巻に着くのが既に午後の5時半なので、釣りが出来るとは思っていなかった。あっという間に暗くなって、フライが何処にあるのか判らなくなってしまったのだが、辛うじて初日から魚を見ることが出来た。
二年連続で岩手まで足を運んだのは、地元の川よりも釣れるんじゃないかという期待の他に、去年来たときに何かやり残した感があったからでもある。昨年は雨がよく降って、本流での釣りは最初の日しか出来なかった。その時もイワナを釣り上げることは出来たのだが、魚が何処に付いているのかイメージが湧かないというか、イメージと違うというか、そんな「訳の分からなさ」が心に残った。それで、もう一度そこで釣りをしてみたいという気持ちが、再び岩手へ向かわせたのだった。
今回の私の釣りの様子が、Kawagarasu Craft 千葉さんのページに掲載されて、それは以下の文から始まっている。
2004年
・
彼の地元には無い魚の着き場から始まった岩手初の釣りだった…。
悪天にも阻まれ、帰るまでにHDの書き換えは出来ないままだった!
—そして—
急遽という感じで実現した2005年・再来県。
さて、訳の分からない気持ちを書き換えることは出来ただろうか。今回の釣行でも、特に大物を釣り上げられたとか、もう魚を見たくなくなる程釣りまくったとかいうことはなく、岩手の渓流魚を釣る「方程式」が分かった訳でもない。ただ単に、同じ川で去年よりは多くの魚を釣ることが出来ただけなのだが、その川のイワナたちにちょっとだけ馴染んだ様な、少しだけ近付いた様な、そんな気持ちになった。
(続く)
今はもう梅雨も明けて、子供たちは夏休みシーズンに突入したが、ささやかな夏休みである先週の連休、岩手へ釣り旅行に行ってきた。昨年は雨に祟られて釣りが出来る時間があまり取れなかったので、もう一度訪れたいと思っていた。またKawagarasu Craft 千葉さんのご厄介になることに。
花巻への便は新しく出来た中部国際空港「セントレア」から飛ぶようになった。アクセスが遠くなったのは面倒だが、開港時に飛行機に乗らない人も飲食施設や銭湯を目当てに押し掛けて大混雑になった新空港に行くのは楽しみでもあった。
名鉄 スカイミュー
「さて、何を食べようか」と飲食店スペースを歩き回ったが、個人的には特に食指の動く店は無いなぁ…。思ったほど広くもなく、どうしてあんなに人気だったのか不思議。
セントレア 国内線
たっぷり時間をつぶしをした後、岩手へ向けて出発。再び岩手の魚たちに会いに。
(続く)
ソフトウェア・アップデートで Mac OS X Tiger のバージョンを10.4.2にしたところ、AIR-EDGE PHONE からインターネットに接続できなくなってしまった。例によっていつ対策してくれるのかわからないので、立ち上げる環境をバックアップ用パーティションのPanther (10.3.9) に戻す。やれやれ…
このブログの構築環境を Tiger から Panther へお引っ越し。さてうまくいったかな?
3少女が交番ポスター盗み「コックリさん」台紙に
どうして、わざわざ交番…。
直接手で握った糸の先に、何故か尺を超えた魚が掛かっている。釣り竿によるテンション・コントロールが出来ない状態で試合開始のゴングが鳴った。
今期2回目の釣行。この空梅雨で川の水位は下がっていて、昼間の釣りは結構厳しかった。「それでは」と、いつもはやらない「イブニング」まで粘った。実績のあるポイントに移動したこともあって、小さい魚ながらも反応が良くなった。それにしても、頭を出している石の間に溜まっている木の枝にフライがよく引っ掛かるのが煩わしい。
そのとき、釣り上っているすぐ上に車が一台やってきた。キャンプに来ているのか、カップルがポリタンクを手に河原へ降りて来る。「(おいおい、俺の狙っている場所に降りて来るなよ。釣れねぇじゃねーか)」と急いで釣り上がる。仕方がないので、その二人よりも先のポイントへ向かってロングキャスト。またしてもフライが引っ掛かって、ピックアップ出来ない。舌打ちしながら回収に行く。
カラフルな色がついているフライラインの先に繋いでいる糸、「リーダー」は透明だったり目立たない色になっていて、薄暮の中ではフライが引っかかっている場所は良く分からない。だからリーダーに手をかけて、それを先に向けて伝って引っ掛かっている場所を探す。もうすぐフライが結ばれている部分だ。すると、その時 ——
今まで完全に根掛かりの感触だったのに、いきなり暴れ出した。左手で握っているリーダーの先には、近頃釣ったことがない様な大きさの魚が! フライはバーブレス・フック。リーダーのティペット部を直接手で持って、フライラインは川下に流れている状態。まだファイトしていないので、相手は元気一杯だ。大ピンチ。
そこから先の様子といったら、実に無様。川の中で転倒しそうになりながらも何とか距離を取り、ロッドによるやり取りが出来る状態にするも、直後に魚は再び川底の大石の間に潜り込み根掛かり状態に。あちこちに引っ張ってみると「あ…。」フライがポロッと戻ってきた。
諦めきれずに沈み石を動かそうとしたり、ネットを突っ込んでみたがその後魚の姿を見ることは出来ず、我に返って、プライドがどっかへ飛んでしまっている自分を発見して二倍落ち込む。せめてもの救いは、水汲みカップルがこちらの行動に関心を示さずに遥か下流に移動していたので、そのタコ踊りの訳を説明しなくても済んだことである。
先日の蛍の鑑賞会は、1500匹の蛍を放すつもりだったらしい。実際には捕獲できた数が少なくて10匹、20匹ぐらいだったが、1500匹はやり過ぎじゃないだろうかね。放すのも問題だと思うが、他の場所で1500匹捕獲してしまうっていうのは…。そもそも、実現可能だったのかも気になるが。
20匹(?)と1500匹、もし20匹なら良くて1500匹が駄目だとすると、その間の何処で線を引けばいいのか。1匹でも駄目、何匹でもOK、なら悩まなくてもよいが、そういう世界はヤな感じ。
放したのは『ゲンジボタル』だと思うが、愛知ホタルの会発行の『愛知のホタルマップ2005』によると実はこの公園、『ヒメボタル』の生息情報があるらしい。うーん、本当なのか。
甦れ!ヒメボタル
(ここの情報では近所の公園の生息情報なし)
先週の土曜に『いとしろフィッシャーズホリデイ』行ってきた。このイベントは石徹白漁協管轄の峠川のキャッチ・アンド・リリース区間設定の取り組みを応援して行こうというものだ。
去年見掛けたシルクラインを買ってみようかなと思っていたが、今年はそのブースは無く、シルクラインはお預けに。また吉田さんと土屋さんのブースの邪魔をして引き上げた。
根曲がり竹 御馳走様でした
帰ってきたら地元の公園で蛍を放して観賞しようというイベントをやっていて、子供に蛍を見せてあげようという家族連れで結構にぎわっていた。議員先生の挨拶によると、放す蛍をわざわざ関西の方から運んできたらしい。
昔はどうだったのか知らないが、蛍はこの公園には生息していない。放された蛍は繁殖すること無く死んで行くだろう。これを残酷とみるか、それとも環境に影響無いとみるか。今までに見たことのない虫を観て喜んでいる子供たちや、そんな子供の様子を見てうれしそうな親御さん達を前にすると、そんなに目くじらを立てることもないかなとも思う。いろんな意味で無理矢理な感じがするのだけれども。
現在、大抵の渓流釣り場で行われていることは例えて言うならば、人工的に繁殖させた蛍を『蛍の名所』に放ち、毎年その蛍が世代を繋ぐことなく死滅する様なものだ。峠川のC&Rの取り組みは、その川での渓流魚の『再生産』を目指しており、単に放流魚が長く残ることを目的としたものとは違う。そのため、その地域には放流を行なっていない。
出来ることなら蛍は自然に繁殖しているところで観ることが出来る方が良いし、渓流魚も自然繁殖出来る状況であってほしい。
昨日、明治村の聖ザビエル天主堂で開かれた結婚式に行ってきた。新郎様、新婦様、お目出度うございます。末永くお幸せに。
明治村に行ったのは学校の遠足以来で、実に久しぶりだった。はっきり言って、中の様子は全く覚えていなかった。しかし、明治村が接している入鹿池には懐かしい思い出がある。ここは子供の頃、父にブラックバスやワカサギ釣りに連れて来てもらった「湖」なのである。ちょうど聖ザビエル天主堂の辺りはボートで上陸してブラックバスを良く釣った場所で、記憶の中の様子と満水になっている今の様子はちょっと違っているのだけれど、間違いない。ここだ。
近所の川でフナやコイ、オイカワしか釣ったことのない子供にとってブラックバスは怪獣の様な、強烈な刺激を持つ憧れの魚だったが、現在ほどノウハウが知られていなかったこともあってルアーではなかなか釣ることが出来ず、そのことががますます憧憬の念を強めた。大げさに言えば、そのころの自分にとって入鹿池へのブラックバス釣行は、非日常への旅行だった。
真っ暗なうちから朝食をとって出掛けて、夜明け頃に湖へボートを漕ぎ出す。白々と明けて行く空の下を、父が櫓を漕ぐ毎に軋み音をあげるボートがどろんとした水面を割りながら進んで行く。船尾からはみ出したロッドの先には、「ソニック」擬きのインチキ・ルアーが繋がれて揺れている。そんな様子を思い出していた。
そういえば、「フライフィッシング」というものを初めて目にしたのも入鹿池だった。我々の様な貸しボートではなくてカナディアン・カヌーに乗り、バッテリー駆動の船外機もつけていたっけ。とても珍しく思ったことを覚えている。