FLY-FISHING

ジンクス

今シーズン二回目の釣行。先回の川から峠を越えた、日本海側に注ぐ川で釣る。前にも一度挑んだことがあったが釣れなかった。今回はその支流に行った。 家を出てすぐに、デジカメを忘れたことに気が付いた。カメラを忘れると証拠写真が撮れない。「証拠写真」は、良い釣りをしたことを人に信じてもらうためのものではない。自己満足というのとも、ちょっと違う。何か写真でも撮っておかないと、自分は本当に魚を釣ったのか、実際に釣りをしていたのか、ほんの少しでも時間が経過するとその実感が急激に曖昧になって来るのだ。こうやって書くと何やら記憶障害みたいだが、釣りをしているときにあまり能動的に意思決定していないと言うか、大して何も考えていないのが理由じゃないかなと思う。(うーん、大丈夫かな。) でも、引き返したりはしない。以前、デジカメを忘れたときに大きな魚が釣れたことがあり(上記の理由で詳細は忘却の彼方)、それ以来デジカメを忘れると「お、今日は行けるんじゃないの?」と期待が高まるである。わざとデジカメを置いて行くと忘れたことにならず、実際不便でもあるので、「靴を左足から履くとホームラン」みたいなものとは違って毎回実行するわけにはいかないのが難。 その結果どうなったかというと験担ぎのご利益か「初日」はクリア、大漁ではないが釣果は合計5匹で、まあまあ。ここはヤマメ圏のはずだが、釣れた魚がアマゴっぽいところはご愛嬌。 このジンクスが自分の中で続いているのは、都合の悪いことを優先的に忘れるからに違いない。カメラを忘れても、良い釣りが出来ないこともあった…気がする。人は信じたいことだけを信じる。(ただし、覚えていられれば。)

2006 石徹白 Fisher's Holiday

6月3日、今年も石徹白のイベントに顔を出して来た。 ・2006年第8回 Fishier’s Holiday T. Craft ブースにて 土屋さんと吉田さん 相変わらず釣り道具も持たずに行き、「何しに来たの?」と問われたら「すいません」としか言えない。 今年は焼き鯖の販売が復活するという情報を掴んでいたため、これを使って、トルコ名物『鯖サンド』を作ることにした。フランスパンにタマネギ、トマト、焼き鯖をはさみ、具にレモンを絞ってかける。 北陸名物? 焼き鯖 肝心の出来は言えば、二本目はパンが合わなかったようで、今ひとつ。量産品はいかんな。

今年も、やはり

ここは釣り系のブログのはずなのに、今年も相変わらず釣りの話題が書き込まれません。まあ、こんなもんです。 実は、ゴールデンウィークに一度行って来た。現地は今から桜が咲こうかというところで、根雪で押しつぶされていた枯れ草が、冬が厳しかった事を物語っていた。 で、肝心の釣りの方も厳しかった。

迷惑な客

今週末は二日ともポカポカした日和で、春が近づいて来た感じ。日曜に昼寝をすると時間を無駄にした気持ちになるんだけど、それが土曜だと、とても贅沢な気分になりませんか? 先週の日曜は雨の中、名古屋駅近辺で行われたつるや釣具店のハンドクラフト展に、T.Craft 、Yoshida Rod 両氏を訪ねた。お二人ともしばらく前にアメリカのニュージャージーで開かれていたFly Fishing Showにも出展していたので、土産話を楽しみに出掛けたのである。このクラフト展は名古屋の前の週には東京で開かれていて、度重なる出展で疲労が溜まっているのか吉田さんは体調悪そうだったが、世界の何処でも生きていけそうという評があるぐらいの方なので、もう治っているのではなかろうか。(どうぞ、お大事に。) 会場で購入したのは、お二人に関わりが深いMar ProjectのCDアルバム。iTunes Music Storeで購入できると書いてあったものの(現在は修正されている)実際にはダウンロードできなかったので、もし日本に持ち帰っていたら譲ってほしいとお願いしていたものだ。 ……えっと、他のお客さんはちゃんと釣り道具を見てましたよ。

串刺し

このブログを観て下さっている方はお分かりだろうが、私の興味対象は「広く浅く」。支離滅裂に見えるかもしれないが、本人は結構、それぞれに関連性があるつもりなのだ。 Trackback Peopleのおかげで、『ベトナム』と『フライフィッシング』の組み合わせのブログ・エントリーを発見。こういうのを観ると嬉しくなってしまう。また何か釣れないかな。カーロックとか。わくわく。

俺が言ったんじゃないぞ! 2

(前回から続き) 中国のネット人口は1億人以上。個人Blogも人気があるということを読んだ気がする。釣りをする人もいると思うが…。まあ、ネットでちょっと探して見つからないからといって、中国の諺ではないとは言えない。何といっても、中国の人口は13億人。どこかの地区で諺とされれば諺なわけだしね。 それでも「中国古諺」っていうのは怪しいと思うには、それなりの訳がある。じつはこの諺に酷似しているものがあるのだ。例えば、このページから: “If you wish to be happy for a day, get drunk. If you wish to be happy for a week, kill a pig. If you wish to be happy for a month, get married. If you wish to be happy forever and ever, make a garden.” ここでも“ancient Chinese proverb”となっている。「釣りを覚えなさい」が「庭園を造りなさい」になっている以外、構成要素はそのままだ。これは偶然ではあるまい。片方が元になっているなら、その元の方はどちら? 「庭を造れ(庭師になれ)」も含蓄があってなかなか良いとは思うけど、私は変化は面白い方向に向かって起きると思うので、誰かが「庭を造りなさい」を「釣りを覚えなさい」に変え、結婚幸せ期間も短くしたのだろうと推測する。 もしそうであっても、昔の中国で変化が起きたのなら「中国古諺」には違いない。しかし、まだ他に似た様な諺が存在する。 1日だけ幸せでいたいなら床屋にいけ。 1週間だけ幸せでいたいなら車を買え。 1ヶ月だけ幸せでいたいなら結婚しろ。 1年だけ幸せでいたいなら家を買え。 一生幸せでいたいなら正直でいることだ。 (西洋のことわざ) 似た様な諺が西洋と東洋で別々に生まれなくもないが、それよりも、この手の諺を元にして変形させたと考えた方が自然だ。説教っぽい「祖先」から何時か変形したとき、責任追及をかわすために「中国の諺」ということにした、というのが真相なんじゃないだろうか。 西洋にとって昔の中国は、変ったことを言っても許されそうな「未開の地」かもしれないが、日本にとっては、諺をはじめとする文化知識の主な輸入元である。それで日本人に対しては「中国古諺」が格別の効果を発揮し、何処の国よりも「釣りを覚えなさい」が愛されることになったのだろう。「俺に文句を言われてもね。これは中国四千年の知恵だから!」 ● ● ● ● 「一生幸せでいたいなら正直でいることだ」を探しているときに出会したページでは、出典が“The Japanese have a saying:”と、「日本人の格言」になっている。かくして発言責任のタライ回しは続く。

俺が言ったんじゃないぞ!

一時間、幸せになりたかったら、酒を飲みなさい。 三日間、幸せになりたかったら、結婚しなさい。 八日間、幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい。 永遠に、幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい。 これは開高健が『オーパ!』の中で、中国の古い諺として紹介しているものだ。『オーパ!』は子供の頃、風邪か何かで休んで退屈しているときに与えてもらって読んだのだったと思う。どうしてこの本だったのか分からないが、奇麗な写真が一杯で印象に残っている。当時はこの諺にそれほど惹かれはしなかったけども。 釣りを趣味とする人なら大抵は知っている、というのは言い過ぎか。でもこの思わずニンマリしてしまうこの諺が、我らにとても愛されていることは間違いない。釣りをしない人にとっては腹立たしいぐらいの内容だろうが、例え周りから非難を受けようとも、中国四千年の知恵と思えば心強い。 しかしこれって本当に「中国古諺」なんだろうか、と最近思った。あの開高健だったら、そんな粋なコトワザをひょいひょいと造ってしまえそうではないか。でも開高の作ではない様で、それらしい英単語を並べて検索するとあちこちで見つかる。(例えば、ここやここ。) 英語のサイトでも、やっぱり“Chinese Proverb”となっている。では、中国語のサイトではどう書いてあるかと思って、それらしい単語を入れて検索してみると……見つからないのだ。中国語は英語より一層不得手であるから、探し方が悪いのかもしれないが、本当に中国で有名な諺なのか、どうも雲行きが怪しくなって来た。 (つづく)

岩手のフィールド、40分の旅

『Kawagarasu catalogue-1』が届いて一週間経った。カタログに特典DVDが付いている様な、DVDにカタログが付属している様な、ちょっと不思議な商品なのだが、これがなかなか。千葉さんには申し訳ないけど、私にとっては商品カタログよりDVDの方が興味深い。 フライ・フィッシングのビデオは何本か観たことはあるが、業界スーパースター達の釣りを観ても、自分の釣りの参考になる気がしないんだよね。もちろん凄いんだけど、映っているフィールドも素晴らし過ぎて自分が通っている所と全然違うし、テクニックも真似出来そうもないし。あ、それと、魚が出た時などの仰々しい効果音とか音楽はどうかと思うよ…。 このDVDは 、『業界プロ』じゃない人達がKawagarasu ロッドを使って釣る様子が割と淡々と(釣り人達は実に楽しそうだが)収録されている。登場する釣り人の中には実際にお会いしたことのある方もいて親近感もあるし、観ているとまるで実際に釣友の後に付いてフィールドを歩いている感じ。釣れる度に拍手をしたくなる様な。 他のフライ・フィッシャーがどうやって釣りをしているのかあまり知らないので、とても面白く観た。皆、巧いな。収録したポイントの違いや使用しているロッドの影響もあるのだろうけど、釣りの雰囲気がそれぞれ違うもんだね。逆に全員に共通した部分もあって、そういうところは早速取り入れさせて頂こう。(でも、春までお預けなんだよな…。)そうか、フッキングの直後に結構ラインを取るんですね。自分がバラしが多い気がするのは、その辺が不味いのだろうか。 今度誰かに「フライを始めたいんだけど…」と相談されたら、このDVDを貸してあげることにしようと思う。どんなハウツー・ビデオやDVDよりもよく、フライ・フィッシングの「気持ち」を伝えることが出来るんじゃないかな。