TRAVEL

静かで騒々しい部屋

その日、ホーチミンは暑かった。多分いつでも暑いのだろう。 観光客は普通、オプション・ツアーに参加して郊外に行っているか一生懸命買い物に励んでいて、日中はホテルになんか居ないものだろうが、喧しくて空気の悪い、横断歩道など全く役に立たないこの街を乗物にも乗らずに歩き回ってバテたので、ホテルの部屋に戻って少し休むことにした。 ホーチミンは夜になっても交通量が減らず、通りに面した部屋では騒音でなかなか寝られないという話も聞くが、そのとき泊まっていた部屋は静かな中庭側で、快適だった。 部屋に戻って暫くすると、大音量の音楽が響き渡った。ナンダ?ナンダ?と部屋から出てみると、中庭でパーティーをしており、どうやら結婚披露宴の様だ。こちらの披露宴は生バンドの演奏付きらしい。 最初はプロが歌っている様だったから、まだ良かった。途中から『カラオケ』ならぬ、生バンド演奏『のど自慢大会』の様相を呈してきて、順番が後になる程アルコールが効いてきているのか、凄まじい歌唱力に。とても休息にならなくなって、たまらず灼熱の街中観光に戻った。 他のホテルのことは分からないが、REXでは自分が泊まっている間、毎日何組もこんな結婚披露宴が行われて、新郎新婦が招待客と談笑する様子をよく見掛けた。

REXホテルの朝食

もうすぐベトナムに旅立つ人と、レックスホテルで食べた朝食は美味かったという話をしていて、いろいろ思い出してきた。 もう何年も前のことで今どうなのかは分からないが、レックスの朝食はベトナムと欧米風のものが一杯あるビュッフェ・スタイルで、ベトナムの料理や果物を少しずつ、いろいろ楽しめた。米食の国だし、中国の隣でその影響が強いから、お粥や麺類、餅など、日本食や中華に馴染んだ日本人にはそんなに違和感がない。 中でもお粥が気に入って、スープに近い感じの粥を食べていたのだけど、二日目にどうもそれは本来の『姿』ではないという事に気が付いた。他の宿泊客より朝が遅かったので、ほとんど米が残っていなかったのだ。ま、美味しかったから良いんだけどさ。 さて他には何を食べようかなと、うろうろしていると、随分と(横向きに)恰幅のいい欧米人のオバさんが、薄いトースト一枚とミルクを持って歩いていた。彼らにとっては、トーストやオレンジ・ジュース、オムレツといったもの以外は手を出し難いのだろう。美味いもの一杯なのに、わざわざそんなものを…。典型的な西洋コンプレックスの日本人である私も、この時ばかりは憐憫の眼差しを注がずにはいられなかった。

パンダもビックリ

『不思議生物の楽園』という言葉を聞いて思い出したのがホーチミンの動植物園。見取り図があったので記念に写真を撮った。 動物園だからこんなの居るよね、という動物の絵がいっぱい。 しかし、写真を撮ったときは気付かなかったがよく見ると…。珍獣にも程がある。