ウクレレの押弦の考察(1) 熟練者との差

ウクレレを演奏するとき、一曲弾く間にも後半、左手の握力が下がってきてしまう。二曲続けて弾こうものなら、相等握力が弱まって押弦が安定しない。コンサート・サイズよりも、フレットの間隔が広いテナー・ウクレレを弾く方が消耗が激しい。しかし、プロの奏者は続けて十曲二十曲と弾くことが出来るし、女性など自分より力が弱そうな弦楽器の奏者は沢山居る訳で、自分と他の奏者との差は「握力が弱い」とか「握力の持久力が無い」ということから生れているのではなさそうだ、と考えた。

師匠を含め上手い人に聞くと、演奏時、フレットを押えるには殆ど力は要らないのだそうだ。一本だけ弦を押さえて、その強さを変えながら爪弾いてみると、なるほど力を緩めていって音が変化してしまうのは、相当弱めたときである。ただ、実際の演奏では最大四本の弦をいろんな形で押えねばならず、四本とも安定した音が鳴る様にすると、やっぱりそれなりの力がいる。ただ力を抜けば良いという風に単純に解決出来るという訳にはいかない。

あまり握力を使わずに演奏出来るということは、少ない力を効率良く伝えて押えているとか、(後から気付いたことだが)握力以外の力で押弦をしている、ということになるだろう。

続く