曲を覚えるという事 1
どうもこのところ、演奏会での出来が悪い。同じ曲で回を重ねる毎に弾けなくなっていっているという、困った状況だ。
ある曲を弾ける様になるためにはまず、楽譜と睨めっこしながら一音づつ読んで弾くことから始めるが、練習を重ねると、フレットの押えるポジションや弾く弦のパターンを体がだんだん覚えて行き、あまり意識しなくてもフレーズを弾ける様になる。そしてそれが継がって、楽譜を見なくても曲を通して弾ける様になる。
体に染み込ませる、体で覚えるというのは、一見とても良い事みたいだが、あまりにも反射的、自動的な『運動の記憶』に頼り過ぎていて、普段は何ということもないのに、人前で畏まって演奏するときには次の『動き』が分らなくなってしまうということが起きる。そしてそういう失敗は、弾いたことがある曲が少なかった以前よりも、今の方が起き易くなっているのではないかとも感じる。
どうしても失敗したくないときは、多少の緊張でも『運動の記憶』の方が勝る程に練習を反復することで何とかしてきたが、レパートリーが増える程に困難が増すのでは、限界がある。ていうか、正直しんどい。もう、違う克服法が必要になっているということだろう。