宮古島ソルト F. F. 紀行(6) ビヨンド・ザ・リーフ

念願のイシミーバイを釣り上げ、ここでの攻略方法が分った。一度岸に上がって魚を見せ、先程釣り上げた場所に戻って再開する。(その最初のイシミーバイは浜にいた地元の人に差し上げた。)同様のポイントにフライを投げれば、かなりの確率でアタックして来る。そのまま続けていれば相当の釣果を上げることも可能であったと思うが、4匹釣ったところでイシミーバイを釣るという目的は果たせたと感じ、リーフ・エッジへ向けて前進することにした。(4匹というのは撮った写真などから後に推測した数で、釣っているときは3匹を超えたあたりから記憶が怪しくなって来る。自分は、数の概念が「1・2・沢山」しかないというアマゾンの部族と気が合うんじゃないかと思う。4匹は充分に「沢山」である。)
イシミーバイ狙いのときから視界の中に白波が砕けるリーフ・エッジが見えて、気になっていた。リーフの向こうには大物が泳いでいると言う。端まで行けなくても、そんな大物がリーフに入り込んでいるかもしれない。アワヨクバ、そんなモンスター級を……、いやまてよ、バッキング・ラインは100ヤードしか巻いてない。そんなやつが掛かったら、ラインを全部持ってかれちゃうんじゃないか?
リーフの海底は、枝珊瑚が生えている箇所と、枝珊瑚が無くて砂が被っている箇所があるようだった。枝珊瑚が無い箇所は少し浅くなっていて、そんな場所を選んでウェーディングして来たが、リーフ・エッジに近づくに連れて、深くなってしまう。もう少しなんだが。リーフ・エッジ近辺がどんな流れになっているのかも知らないので、その場所から前進するのを諦め、届かないまでもせめてエッジに向ってフライを投げ続けるが……ガーラやタマンやバラクーダ、その他の魚も相手をしてくれず。もうこの後は潮は満るばかり。楽に帰れるうちに引き上げることにした。
同じ大潮でも潮の引き方が違う。八重干瀬が海面に現れる様なときにはきっと、リーフ・エッジに楽々辿り着けて、大物を狙うことが出来るだろう。今回の旅の釣りはこれでお終い。今度は潮の引き具合もよく調べなくては。じゃぁね、またね。
(つづく)