竹の焼ける甘い匂い
先週末、久しぶりに竹の火入れをした。
以前から電気コンロを使っていたが均一に焼くのが難しく、漏斗を使って熱気を集中させる千葉さんの方法を雑誌『Fly
Rodders』で見て、今度真似してみようと思っていた。写真で漏斗の注ぎ口部分を切り取ってあったのを見て予想していたのだが、面倒だったのでそのまま使ったらスプリット(竹を裂いたもの)より漏斗の口の方が狭いので熱が集中しすぎて均一に焼けない(千葉さん、こういう理解で合ってます?)。なんだかんだで、いつもと同じように斑模様の焼き上がりに。
『火入れ』とか『焼き入れ』というのは、竹の弾性を増すために行う熱処理のこと。どうして火入れをすると弾性が増すのか、今のところ、納得のいく説明に出会ったことがない。火入れを行うと竹に含まれている水分が数%まで落ちて云々と書いてあったりするが、「ご理解いただけましたか?」とか書かれても理解出来ない。火入れをした後暫く置いておけば空気中の水分が戻る気がするが、そのときはただ乾燥させた竹と比較してどうなのだろうか。
竹の『油抜き』処理を『火入れ』と同一視する説明もあるが、竿作り以外のジャンルでは、竹を煮るのも『油抜き』だし、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使う『油抜き』もある。煮たら水分はどうなってしまうのか。苛性ソーダで処理をすると火入れをしなくても良いのか。
ともかく、どうしてなのか誰も知らないけどお馬が皆パッパカ走る様に、火入れをすると竹は弾性が増すのである。
竹を焼くととても甘い匂いがする。いつも火入れをするときに、何か御菓子でも出来ないのかなと思う。