アースシーの魔法使い
7日に『ロード・オブ・ザ・リング』第一部のテレビ放映を観た。『王の帰還』のプロモーションの一環ということだろう。最近、こういう「みんなグルだ」というパターンが多いが、昔からだったか? 20世紀最高のファンタジー小説との呼び声高い、原作であるトールキンの『指輪物語』は読んだことがなかった。放映を観ながら「なるほど、映画化向きの話だな」と思い、映画化に向かない別の作品のことを思い出していた。
日本では『ゲド戦記』シリーズとして知られているル=グウィンの作品群には、『戦記』という言葉のイメージに反して、『ロード・オブ・ザ・リング』にある様な北欧神話の最終戦争的スペクタクルは全然ない。最初に『ゲド戦記』を知ったのは、宮崎駿が対談集の中で触れているのを読んだ時だった。『ゲド戦記』は『風の谷のナウシカ』で相当意識されていると思う。ナウシカがテトを肩に乗せているが、最初の作品『影との戦い』でゲドが連れているヘグに似ているし、漫画版で動物のお陰で危機を乗り切る様子も『ゲド戦記』を連想させる(というか、ナウシカを連想させる、か)。
『影との戦い』、『こわれた腕輪』、『さいはての島へ』、『帰還』、『アースシーの風』の5冊が出ていて、近いうち(?)に、外伝が出るそうだ。本には対象年齢小学6年、中学生以上と書いてある。対象年齢の皆さん、『ロード・オブ・ザ・リング』ブームが終わったら読んでみて下さい。
(内容について書こうとしたのだが、長くなりそうなのでこの辺で。)
作者ル=グウィン本人のサイト: Ursula
K. Le Guin’s Web
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※2004年3月14日
筆者の日本語表記を『ル=グウィン』に変更しました。