自分の前世が判明

お盆釣り旅行1
 

この盆休み、釣り旅行に出掛けた。といっても行くのはいつもの川なのだが。長く通っている川だけど、近年釣り人以外にとても人気が出てきて、このお盆は泳いだりバーベキューをする人達で「ごった返し」て、川沿いの林道は車だらけ。昼過ぎに到着した初日は釣りをするのを諦めたぐらいだ。

旅館に泊って釣りをしようとすると、朝にしろ夕方にしろ、食事の時間と釣りをしたい時間がぶつかってしまい、釣り場が近いのに意外と不自由なものだ。旅行二日目の朝も旅館の朝食を食べてから川に向ったので大して早く到着した訳ではないが、まだバーベキューや水遊びの連中はあまり来ていなくて、他の釣り人は「人込み」を避けて他の溪に行ったらしく、車止めのゲート近くに車を停めることが出来た。

自宅から出撃するときよりは早く川に着いたので、いつもより上流まで行ってから入溪する。さて、今日は先行者がいるのかどうか。明らかに釣り人だという車は近くになかったが、キャンパーが早朝からやっている可能性もある。

んー… 反応は渋い。昼までにやっと一匹。その後は忘れたころにぽつぽつといった感じで、サイズは20cm前後まで。まあ、遊んでくれるヤツが居るだけ有り難いと思うべきか。
 

お盆釣り旅行2

 

そんな感じで釣り上って3時過ぎぐらいだったか、川の中央あたりを釣り上っていた自分の左手の川岸で少し音がした様な。顔を向けると、黒い物体が。くっ…熊だ! デカい! 相手の方が早く気付いて、反転して河原から走り去ろうとしているところだった。鼻の先からお尻まで150cmぐらいはありそうに見えたが、幸いにも至近距離での鉢合わせではなく10m程の距離があった。音をたてて繁みの中へ走って消えたが、その繁みからまた出てきてこちらに向って来たら、勝ち目なんてありそうもない。威嚇して遠くに追い払わなくては! お、大きい声を出すんだ! 「うー わう、わうぅ!!」

何故そこで犬の鳴き声なんだ(しかも洋風の)と訊かないでほしい。自分だって訊きたいぐらいだ。続けて、投げつけるべく足元に石を探すが、手頃の大きさのものが咄嗟に見つからない。なんとか拾って消えた茂みの先を目掛けて投げるが、石の飛んだ処は、自分から大して離れてない川の中だった。ビビって力が入り、握った石を離すタイミングがおかしい。二つ目の礫は岸まで届いてカチーンと音を出す。次はやっと繁みまで。ガサガサッ。奴を遠くに追い遣るためにはもっと距離を出さなくてはいけないが、(今にして思えば石が重過ぎて)何度やってもその程度しか投げられない。あまり意味無さそうなので止めた。

しばらくしてちょっと冷静になり、相手の方から(自分の進んでいる方向とは逆の川下に)逃げたのだし、わざわざ逆襲に戻ってきたりはしないだろうと釣りを続行し、ほどほどの時間で上った。キャンプ場の管理人に熊が出たことを話しておくべきだと思ったが、お盆だからなのか、管理人はもう帰った後であった。

ときどきニュースで、山仕事の爺さまが熊と鉢合わせになって取っ組み合い、撃退したという話が出るが、自分には無理だということがよくわかった。