C & R の難しさと可能性

昨夜は「明日はウクレレの先生が出演する野外コンサートに行くか、それともイベントをやっている石徹白まで足を伸ばすか」と考えながら眠ったのだが、酷い頭痛とともに目を覚ました。しょうがないので、何処にも行かず大人しくしていることにした。

石徹白と言えば先日の地元の新聞に、峠川のキャッチ&リリース(C & R)区間の餌釣りが禁止になった記事が載っていた。C & R 区間で魚を持ち帰ろうとする餌釣り師が跡を絶たないからであるらしい。「魚釣り」の喜びは生きていくために獲物を狩る生物的欲求と直結しており、食べられない魚なら兎も角も、金を払ってわざわざ釣ったイワナやヤマメを放せと言われても納得がいかない人が多くいるのはまぁ分る。更に、最初から魚影の濃い C & R 区間で「収穫」しようとやって来る人物もいるだろう。(この手の輩は遊魚料を払っているかどうかも怪しいものだが。)フライやルアーを使う釣り人が上等な人間という訳ではないのだが、いろいろ理由があって、確かにそういう人達は餌釣り師であることが多い。

漁協や C & R 区間設置に尽力した「在来溪魚を増やす会」の人達は餌釣り師との「共存」を目指したが、止むなく禁止する決定を下すことになり、残念だろう。その人達には申し訳ないが、この記事を読んで面白いと思ったのは、割合からいえば大多数である餌釣り師を排除してまで、漁協が C & R 区間を維持しようとしていることだ。C & R 区間には放流を行なっていないにもかかわらず、非常に魚影が濃い。その状況が組合員に対して強いインパクトを与えたのではないか。非組合員の遊魚料の支払う率が C & R 区間の釣り師の方が高いなら、それも C & R 強化に向う判断材料になっただろう。最初から C & R 区間での餌釣りを禁止していたら、組合員や餌釣り師の反発で、成果が出る前に取り止めになっていたと思う。現状は理想的ではないが、最善と言っていいのではないか。あとは、峠川から出て行った魚が餌釣り師を喜ばすことが続出するのを祈る。

ところで、この記事にはバンブーロッド・ビルダーの吉田さんのコメントも書かれている。吉田さんの肩書が「バンブーロッド製作の第一人者・吉田幸弘さん」となっており、吉田ファンの私は、ニンマリせずにはいられなかった。