天空の矢

今からちょうど二年前。日が沈み暗くなったよく澄んだ空を、強い光を放つものが飛んでいるのを見た。真上を通ってしばらく飛んだ後、光が急に弱まって消えた。

空港の近くに住んでいるので飛行機やヘリが近くを飛び交っているが、これは飛行機ではないとすぐにわかった。飛行機のライトは幾つも付いていて点滅しているものがあるが、この光は一つだけで全く瞬かなかった。それに、軌跡に対して光が強力で、速すぎる。飛行機雲を作りながら飛ぶ飛行機は、真っすぐ飛ぶというよりも天球に張り付いている様な軌跡を描き、とてもゆっくりに見える。その日の光はそんな軌跡を飛びながらも、ぐんぐん天球の真上まで登り、飛び去って行った。

その日のニュースや翌日の新聞では、人工衛星や隕石による火球の話はなかった。特に珍しい現象ではないということは… この日見た光は、地球軌道を飛ぶ『国際宇宙ステーション』(ISS)だった。この日から暫く、ISSを見るのをとても楽しみにしていた。ISSを見るためにはJAXAのこのページが役立つ。

ISSを肉眼で見よう

近いところでは、中部地区では11日の18時7分前後、東北では10日の17時34分前後に良い条件になる。天気が良かったらISSを見ることが出来るので、空を見上げてみてほしい。このところスペース・シャトルの事故や日本のロケット打ち上げ失敗など暗いニュースが多いが、力強く飛ぶISSを見るとちょっと元気になるかも。